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俺は横目で見ながら、自分の実験に集中する。俺の今日の実験は、水素と酸素の混合気体の爆発が起きて水になるかという、教科書にも載っているレベルの実験である。
優気子は科学準備室に入った。
入ったまま、なかなか科学準備室から出てこない。静寂が訪れるだけ。
しばらくして、優気子は出てきた。
何の薬品か見えないように、優気子は教室棟と反対の机に瓶を三本ずつ置いた。三リットル分。
いそいそ、わくわくした顔で、メスシリンダーやピペットの準備までしている。
いったい何をするつもりか、俺は、はらはらどきどきだ。
嫌な予感がして来た俺は、実験を中止して、優気子のいる机に行った。
「優気子、お前、何を作ってるんだ?」
「んーとね、ヒントは爆発!」
「はぁ? もしかして……」
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