第1話

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「『エヘ』じゃねぇ! いつからだ!?」 「巧が実験してる間」 「やっぱりそうだったか。危ないやつだな、油断も隙もない」  思わず冷や汗が出る。  「今日は、徹夜だなぁ」  ぼそっと言った優気子の言葉に、冷や汗どころか、戦慄を覚えた。 「学校に泊って作る気だな!? 戻せ! 保管庫に早く戻せ!」 「えー、保管庫の鍵、開けるのに時間かかったんだよ~」 「どうやって開けたんだ! お前は泥棒か!」 「ヘアピンをつかって、一生懸命に」   こんなむちゃくちゃをするから、なかなか目が離せない。  おっと、優気子は腐れ縁、それ以上ではない。  微かに早い鼓動も、怒っているからだ。  こんなやつを好きになんて、なれるわけではない。はずだ。 「は・や・く・し・ろ。今すぐ、先生に相談を……」  有無を言わさず俺が言うと、優気子は唇を尖らせた。 「巧が文化祭で喫茶店して女装した写真を……」 「いつの間に、そんなものを!? 写真をどうするんだ?」 「ばらまく」 「脅しか!? くそ……」  したり顔で、優気子は俺を見た。
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