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「『エヘ』じゃねぇ! いつからだ!?」
「巧が実験してる間」
「やっぱりそうだったか。危ないやつだな、油断も隙もない」
思わず冷や汗が出る。
「今日は、徹夜だなぁ」
ぼそっと言った優気子の言葉に、冷や汗どころか、戦慄を覚えた。
「学校に泊って作る気だな!? 戻せ! 保管庫に早く戻せ!」
「えー、保管庫の鍵、開けるのに時間かかったんだよ~」
「どうやって開けたんだ! お前は泥棒か!」
「ヘアピンをつかって、一生懸命に」
こんなむちゃくちゃをするから、なかなか目が離せない。
おっと、優気子は腐れ縁、それ以上ではない。
微かに早い鼓動も、怒っているからだ。
こんなやつを好きになんて、なれるわけではない。はずだ。
「は・や・く・し・ろ。今すぐ、先生に相談を……」
有無を言わさず俺が言うと、優気子は唇を尖らせた。
「巧が文化祭で喫茶店して女装した写真を……」
「いつの間に、そんなものを!? 写真をどうするんだ?」
「ばらまく」
「脅しか!? くそ……」
したり顔で、優気子は俺を見た。
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