事実

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もうどうしていいか訳がわからず すぐにあおにメールを送りました。 「陽性だった。」 すぐに返信が来ました。 「……てことは、妊娠?」 そうです、妊娠です。 疑惑が真実へと変わったのです。 そしてあおから電話がかかってきました。 とにかく母親にこの話をしろと言われました。 けれど怖くて怖くてずっと躊躇していました。 ですがそんな訳にはいかないのはわかっています。 そらは号泣していました。 あおはついに怒りました。 このままではどうすることもできないのだからと。 そして電話が終わって、隣の部屋にいる母に 伝えに行く決心がつきました。 すーっと深呼吸をし、母の元へ。 「…ねぇ、あのね、妊娠しちゃったの。」 すると母の顔の表情がみるみる変わり 少し怒りが見えましたがすぐに真顔へと変わりました。 相手の名前や詳細を全部聞かれました。 自分が何をしたのかわかっているのか、と言われました。 それからどれくらいでしょうか。 何時間か話した気がします。 母は泣いていました。 母は言いました。 「そらは何も考えなくていいから。今日はもう遅いから寝なさい。」 それからベッドへ向かいました。 どくんどくんと脈打つ熱いものが感じられました。 もう後悔しかありませんでした。 これはきっと夢で、明日になれば全て元通り。 そんなファンタジーの様なことが起きて欲しい。 心からそう願っていました。 泣き腫らした目をゆっくり閉じ眠につきました。
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