確かな愛

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美穂ちゃんの出産から1週間。 甥っ子の名前が決まったと隼人から連絡があった。 『命名 太陽』 …単純明快な隼人らしい名前だなと思う。 でも美穂ちゃんに言わせると、 大空を翔る隼と鷹をもっと大きく見守れるのは太陽だからって事らしい。 自慢げに毎日ってくらい隼人から送られて来る太陽の写真を見てると自然に俺もニヤケてしまう。 「翔兄も早く結婚して子供作ったら? もう36なんだし、いいおっさんだよ?」 太陽の写メを見つめながらニヤニヤする俺に鷹人の冷たい一言。 「大きなお世話だ」 そう言いながら二人で年末の挨拶回りに出かけた。 毎年そうだけど12月はかなり仕事もハードでのんびり酒を飲む暇もない。 当然、中山とも相変わらずの距離感。 気にはなるけど… 正直な所、俺の中山に対する気持ちが何なのか解らない。 隼人や美穂ちゃんが言うように 『愛する人』 なのか、 傷つけてしまった事への罪悪感なのか。 俺の背負ってるものをアイツに背負わせたくないと思う時点でそこに愛ってものがあるのかもしれないけど… 俺は愛し方ってやつを知らない。 口説く過程を楽しんで来ただけで、一人の女ときちんと向き合った事がなかったから。 なかなか自分の思いを理解出来ないまま、今年も終わりを迎えようとしていた。
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