確かな愛

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今年の仕事収めの日の朝。 「社長、年明けの出勤の件なのですが… 1月4日から6日まで有給を使わせて頂きますので、7日からの出勤にさせて頂きます」 中山から有給なんて言葉を聞くのは初めてだった。 「珍しいな…帰省か?」 「…はい」 「解った。じゃあ川島に指示だけ出しておいてくれ」 「はい、申し訳ありません」 丁寧におじぎをして社長室を出て行った中山の姿に何故か不安を感じる。 だけど仕事収めであっても俺の仕事はその日も忙しくて、何も考える余裕もなく過ぎて行った。 ようやく仕事を終えて向かったのは、我社の忘年会。 某有名ホテルの大ホールを借りての今年1年の締めくくり。 一応社長らしく、舞台で挨拶と乾杯を行ったあと 駆けつけてくれた隼人と鷹人と一緒に談笑する。 兄弟3人で酌み交わす酒はやっぱり美味い。 まぁほとんどが隼人の演説による、太陽の子育て日記発表会なんだけど…。 ふとトイレに立った俺の耳に飛び込んで来たのは、 会場から出た所のソファーで他の女子社員と会話する川島の声だった。 「いよいよ私も社長の第一秘書になれるかな?」 …はっ? 俺の姿に気づいてない川島とその女子社員は楽しそうに続けた。
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