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私と目が合ったら、一瞬驚いた顔をしたけど、すぐにその表情はあの不敵な笑みに変わる。
…今度は、アンタの仕掛ける罠になんか絶対嵌らないから。
私は鋭い視線で太田を睨みつけてやった。
一通り挨拶を終えて、外注デザイン部に配属された私は、美穂とは離ればなれにされてしまう。
「じゃデスクの配列だけど、俺と倉田をこの位置にして…
工藤と椎名を向い合せ、その向こうに柏木と太田にするから」
藤森隼人の指示で、さっきの熱い視線のウザい男、工藤君が一生懸命デスクを動かし始めた。
「柏木は、そこに届いてるパソコンのセットアップ出来るか?」
「はい、大丈夫です」
「ん。
じゃイラストレーターとフォトショップはここにあるから。
あと、ドリームウィーバーとホームページビルダーのインストールな」
WEBデザインに必要なソフトを一通り手渡されて、私は新しいパソコンの電源を入れる。
女にはだらしないくせに、仕事の指示は的確で無駄のない藤森隼人。
なんかやっぱこの男、胡散臭くて気に入らないなーと思いながらセットアップを始めた。
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