マタドールの甘い誘惑

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社交辞令満載の笑顔で藤森隼人と槙田さんって女の子に挨拶をしてやった後、 美穂に引っ張られてカウンターへ向かう。 こんな男が私の可愛い美穂にちょっかい出そうなんて100万年早いのよ! 心で思いながら、ドスンとカウンターに腰かけた。 「いらっしゃい。 君、なかなか面白いね」 カウンターの中から私に声を掛けたのは、この店の雰囲気みたいな、深い海のような碧く美しい瞳の男…。 でもクスクス笑いながら言うその姿にムッとした私は、キッとその男を睨みつけて言ってやった。 「は…いきなり何ですか?」 それを見た美穂が慌てて私を阻止する。 「このお店のオーナーの智也さんだよ。 あ、こちら私の親友の柏木 梓です」 美穂の紹介にニコニコと頷いたその男は 「梓…さん、よろしくお願いしますね」 と微笑んだ。 その笑顔がすごく柔らかくてなんだか私の胸をドキっとさせる。 なんて…優しく微笑む人なんだろ…。
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