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智也さんを気にしつつ、私は美穂に問いかけた。
「だけど太田と一緒に仕事なんて本当に美穂、大丈夫なの?」
…が、
全く返事をしない美穂を覗き込んでみたらチラチラとボックス席の藤森隼人を気にしてる。
「美穂?」
もう一度声をかけると慌てて美穂が私に視線を合わせた。
「えっ?何が??」
…まさかこの子…?
そう思いながらも、もう一度聞いた。
「だから太田よ。
美穂と一緒の自社デザイン担当になるんでしょ?
アンタ本当に大丈夫なの?」
「ああ…うん、大丈夫…かな?」
首を傾げながら、エヘヘと笑う美穂に呆れる。
「…かな?じゃないでしょ…
また何かされたらどーすんの?」
「うん…でも梓もいるし…
それに…
部長も守ってくれるって言ってたし…」
そう言いながらまたなんだか寂しそうな目で、ボックス席に視線を送る美穂を見て私は確信した。
…この子…
…あの最低男に恋してる…?
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