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「明日から田舎に帰省して来るね」
「梓の田舎ってどこなの?」
「秋田。だから1月3日まで帰って来ないけど…」
「そっか、解った。
俺は3日までは店も休みだから。
2日はちょっと予定あって出かけるけど、3日はずっと家にいるから帰って来たら連絡してね」
そんな約束をして私は秋田の実家に帰省した。
だけど…ひとつだけ私は智也さんに嘘をついた。
本当は1月2日には戻る予定だ。
自分の事は何も話そうとしない智也さん。
どうして何も話してくれないのか不思議だった。
それにあのパルファムの香り…。
2日にきっと何かがある…。
そう感じた私は、帰りの新幹線を2日に予約した。
疑問に思うと、とことんまで自分の目で確かめたくなるのは私の悪いクセかもしれない。
だけど…
もう二度とあんな辛い思いはしたくない。
同じ傷つくにしても…
ある日突然に捨てられるよりも、自分から気づいて身を引きたい…
その思いだけが私を突き動かしていた…。
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