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10月後半。この夜に紫色に怪しく光るバー、ここにはその色が良く似合う化物達が集う。特にこの時期は大盛況なのだ。
「ったーくよー、最近の餓鬼ゃあ俺達の事舐めてやがんぜ。」
全身黒い毛で覆われた化物と言うより獣と言うべき狼男がウイスキーを片手に愚痴をこぼした。
察するだろうが、ただの酔っぱらい狼だ。そんな狼男に
「良いじゃないか、触れ合ってもらえる分…」
そう言うのはボサボサの髪にボロボロの甲冑、頭に刺さった数本の矢。見た目から近寄りがたい落武者
その見た目に説得力を強く感じた狼男は納得しかけたが、慌てて言い返す。
「いやいや、確かにあんたら東洋の化物たちゃあなかなか近寄れねぇオーラがあるけど!それって化物として在るべき姿じゃねえか!俺ぁなんか、あの糞餓鬼共に!」
ウイスキーを零しそうな勢いで立ち上がる狼男。落武者はさっきの言葉で少し明るくなったが、狼男の機嫌にビクリと肩を震わせた。
「子供達に…?」
「わー☆モッフモフ~♪」
「かっわいー♪」
『てねー★』
急に現れた魔女×2が強面の狼男の前にずずいと出てもともとげっそりしている落ち武者に笑いかける。
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