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「言うな!!おっもい出しただけでは・ら・が・た・つ~!!」
鋭い爪を出して苦虫を噛み潰したような顔をする狼男。けらけら楽しそうに笑う魔女は狼男の方に手をかけ、必死に笑をこらえながら言う。
「まぁまぁ、お子ちゃまたちはそろそろハロウィーンだから私ら観察してんのよぉ。ねー、ロットクローネちゃん?」
「そうねシロティーネちゃん。女の子たちは特にキモいのじゃなくかわ、ブフッ!可愛い狼ちゃんにでも化けたいんじゃないかしら…可愛い…フッフフッ」
シロティーネと言う白いリボンをつけた魔女はぱちんと指を鳴らして狼男に自分と同じ白いリボンで前髪にあたる部分にちょんまげを結い、ロットクローネと呼ばれた黒髪に黒い帽子の魔女は同じように指を鳴らし不気味に笑いながら尻尾にヒラヒラの黒いリボンを結び付けた。
狼男は何をされたか気がつかなかったが、
「ああ、今日も鏡に映らない…」
と全身鏡に映らない吸血鬼の変わりに映った背後の自分を見て音が一つ、鳴った。
プチン。
「てめぇらぁぁぁぁぁぁ!!」
『きゃー、可愛い狼ちゃんがモフモフ怒ってる~!』
同時に指を鳴らし箒を出現させ、店の中をふよふよ逃げまわる。
「シロ!クロ!いい加減にしやがれ!」
ガルル!!と唸りをあげながら狼男は魔女に怒った。
「それ猫みたいだからやめてよぉ」
「それ犬みたいだからやめてくれない?」
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