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「あっ!ミツル、お前っ!」
「いただきまーすっ」
ポッキーを咥えたまま、鼻歌を歌いながら放送部室を出て行く。
バタン、とドアが閉まり、放送室は突然静かになった。
…がんばるって…何を?
わたしが首を傾げていると、
「…椎名」
田辺くんが声のトーンを落とし、身を乗り出した。
「お前、もう部室で寝るなよな」
「え?…ああ、うん。今度から気を付ける。落書きされたら困るし…」
「落書きじゃ、済まないかも」
「…え…」
田辺くんはドアの方をちらりと見てから、真剣な顔で言った。
「気をつけろ。あいつ、…ほんとにお前にキスしようとしてたから」
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