1048人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
これから卒業まで、陽が短くなる一方だと思うと、何となく寂しい気分になる。
暗い気持ちのままふと視線を戻すと、春山先生と目が合った。
…あっ…。
視線がぶつかったのは一瞬で、先生はすぐに黒板に視線を移した。
…珍しい。
授業中でも滅多に目なんか合わないのに…。
…昨日黙って先に帰ったこと、心配してくれたのかな…。
そう考えてから、わたしは慌ててぶんぶんと首を振った。
…だめだめだめ。…もう、そんな子供みたいなこと、しないって決めたんだから…。
「えー、それではですね。
来週の金曜日の夜、八時から学校で、七不思議スポットの撮影を行います。
メンバーはくじ引きで決めますんで、文句無しでお願いしますねっ」
ヒロシくんが張り切ってくじを作り始める。
そのウキウキした様子を見るうちに、わたしは何だかもぞもぞと、背筋に嫌な予感が走るのを感じた。
最初のコメントを投稿しよう!