第2話

2/40
629人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
美里さんは私に小声でそう呟いた。ジョイは怪訝な表情でそれを聞いていた。 「何?スイッチって」 美里さんはさも面倒だと云った感じで、ジョイに早口の英語で説明を始めた。細かなニュアンスは英語の方が楽らしい。 ジョイは顔をしかめ、手のひらを上に向ける仕草をする。 「えりからも彼に頼んでくれないか?僕が本気だって伝えて欲しいんだ」 ジョイが本気である事は真剣な表情から伝わってくる。本音で言えば勘弁して欲しい… アメリカで充分に成功して地位も名誉もある彼が蒼の弟子?しかもジョイは榊のパートナーなのだ… 本気で逃げ出したい気分だ。 「ジョイさん、とにかく蒼くんにはきちんと伝えますから…彼にも事情はある筈ですから少し待って貰えませんか?」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!