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「お祭りだからだよ」
「祭り? なんの?」
「夏祭り。高校近くの神社で毎年あったでしょ?」
そう説明すると琢磨も「あぁ」と思い出したように声を上げる。
「そう言や、毎年女に誘われてたな」
「そうだった?」
「2年のときは2人から誘われて体育館で大喧嘩されたりしたし」
「覚えてないなぁ」
「で、莉子にお前も一緒になって追い出されたよな」
「あ、手塚さんに追い出されたのは覚えてる。僕を庇ってくれるんだとばかり思ってたのに。あれってヤキモチだったのかな?」
「……まずあり得ねぇな」
少し嫌そうに顔をう歪める琢磨に凌はニコリと笑って、
「琢磨、冗談だよ」
と言うと、琢磨は益々苦い顔を見せる。だけど、次の瞬間にはニンマリと笑って。
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