第6話

13/38
前へ
/38ページ
次へ
「お祭りだからだよ」 「祭り? なんの?」 「夏祭り。高校近くの神社で毎年あったでしょ?」 そう説明すると琢磨も「あぁ」と思い出したように声を上げる。 「そう言や、毎年女に誘われてたな」 「そうだった?」 「2年のときは2人から誘われて体育館で大喧嘩されたりしたし」 「覚えてないなぁ」 「で、莉子にお前も一緒になって追い出されたよな」 「あ、手塚さんに追い出されたのは覚えてる。僕を庇ってくれるんだとばかり思ってたのに。あれってヤキモチだったのかな?」 「……まずあり得ねぇな」 少し嫌そうに顔をう歪める琢磨に凌はニコリと笑って、 「琢磨、冗談だよ」 と言うと、琢磨は益々苦い顔を見せる。だけど、次の瞬間にはニンマリと笑って。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1677人が本棚に入れています
本棚に追加