第6話

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夕方。 といっても暑さはまだまだ残ってる。 アスファルトはまだ熱いし、吹き抜ける風も湿気をはらんで汗を誘う。 それでも日が落ちれば多少は過ごしやすくなるもので、 「あの、ひとりですか?」 歩く人にも余裕が出来るのか、ガードレールに縋る凌に知らない誰かが声をかけてきた。 「今のところ」 それでもニコリと笑って返すのはもはや彼にとっては条件反射。 女の子にはいつでも誰にでも優しく微笑むのが彼だ。 「えと、良かったらこの先でお祭りあるんです。だから一緒に――」 「あ、もしかして僕、ナンパされてる?」 「え? あの……」 少し恥ずかしがるように俯く彼女に凌はニコリと笑う。 「ごめんね。僕、彼女待ってるから」 そんなセリフに目の前の彼女は、 「でっ、ですよね! ごめんなさい!!」 と叫んで走り去っていった。
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