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嫌な予感がしつつ携帯に手を伸ばし確認する。
「なんだ、同窓会の幹事会の連絡か……」
ホッとしたような、でも面倒臭いなというのが本音だった。
数か月前の仕事帰りに山下と寄った居酒屋で偶然、同級生に遇ったのが事の発端だった。
世間は狭い、とはよくいったもので高校卒業以来まったく会っていなかった同級生2人とたまたま席が隣になり、高校時代の恩師である森先生が10月に定年退職をするらしく同窓会をしようと思っていたのだと相談を持ちかけられたのだった。
森先生には進学するにあたって色々と相談にのってもらったり、勉学面でもかなりお世話になっていたのを思い出し、話に乗ったのだがまさか幹事まで頼まれるとは思ってもいなくて、忙しい仕事の合間に連絡を取り合い段取りをしているのだ。
「今週の土曜日か……」
指定された日時に躊躇いを覚える。
その日は今しがた竹林さんと約束したばかりで、さすがに断ることはできず迷いに迷ったが予定があると断りのメールを返した。
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