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一目ぼれだった。
まさか、この歳になって“一目ぼれ”というものをするなんて思ってもいなかった。
そもそも恋という感情を抱くなんて思ってもいなかった。
しかも出会いは行きつけのコーヒーショップとか小洒落たものではなく、たった一枚の写真。
上司から写真を見るように勧められた時は冗談じゃないと思ったが、写真を見た瞬間、俺の目は彼女に釘付けになってしまった。
写真の中の彼女は特に着飾っていたわけでもなく、どちらかというと普段着で特に目を引くような美人でもない。
ぶっちゃけて言うと失礼だが、ごく普通のどこにでもいるような感じの人だった。
名前は牧瀬 凛子さん。
年齢は俺より6つ年下の32歳らしい。
同期も同僚もほとんど結婚してしまい、気づくと同年代で独身は俺だけになっていた。
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