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とはいって俺自身、別に結婚を焦っていたわけでもなく、結婚自体に夢や希望を抱いているわけでもなかった。
いずれ子供くらいは欲しいかもとは思った事はあったが差し迫ったものはなく、どちらかというと独りの方が変な束縛もなく気楽だった。
それに俺は“結婚”とか“恋愛”というものには向いてはいないと俺自身が一番よく分かっていた。
「入り好みばっかりしているからだよ」
「もしかして変な性癖があるとか?」
結婚しない俺に友人たちが面白半分で口々に言う。
「別にそういうんじゃない」
いつも否定はしてみるが、みんなは笑うばかりで全く聞いちゃいない。
―――別にいいけど……
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