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「いつの間にそんな話をしたんですか」
呆れるしかなかった。
別に誰も探してほしいなんて言った覚えはないし、探していた覚えもない。
はっきり言って本人の知らない所でそんな話が持ち上がっていたということに不快感を覚えてしまった。
「いつだったかな?でも村井くんもそろそろ身を固めなきゃいい歳なんだし……」
思い出せないということは、さしずめ打合せと称して飲んでいた時にでも話が持ち上がったんだろう。
「相手の人は竹村さんの娘さんの友人で器量も良いらしいし、一度会ってみないか?俺も頼んだ手前、今更断れないし……」
そんなことくらい自分で何とかできます!なんて大口の一つも叩きたかったが俺自身、結婚をする意思も見通しもなかった。
でも頼むとばかりに小さく頭を下げだす部長。
そんなことをされたら俺だって、これ以上断ることもできず、とりあえず一度会うだけと折れるしかなかった。
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