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後ろから聞こえるドドドッと言う走り音に俺はすでに涙が出そうだった。 いや、もう出てる。 「男なんだからいいだろッ!!?」 「いいわけないだろ! 男だからこそ嫌なんだよ! バカ野郎!」 「ケチケチすんなよ!」 「うるせえ! 喪男に言われたくねえ!」 「……」 失言だと気が付いた時には遅かった。 走り音が徐々に近付いてくるのが分かり、スピードあげやがったと気が付いた。 こんな所で喪男に捕まって俺の人生終わるなんてそんな……! 涙がこぼれ落ちそうになりながら、廊下を全身全力で駆け抜けていたけれど。 体力の問題と言う問題もあり、徐々に近付かれ走馬灯が見えかけた瞬間。 ──ドンッ‼︎ 誰かにかなりの勢いでぶつかったが、その相手は倒れることなく俺を受け止めた。 ぶつかった衝撃と鼻をぶつけたせいで息がしにくくて苦しいと思い顔を上げたら、 「……あ、」 「あ。」 その人は、ルームメイトだった。
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