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後ろ姿の背中が男らしい。
華奢で、真っ白な、少年の。
カッターシャツを羽織って、前ボタンを止めながら、立ち上がり、振り向く。
「じゃ、またな」
「うん」
「金は俺が払っとくし」
「うん」
ここはラブホテルの一室。
彼は いわゆる道楽息子。余裕の表情が、益々 そう感じさせる。
先生に「おまえ。こんな状態で、将来はどうするつもりだ!」の返事は決まって「俺、働かなくても生きて行けるし」。
だけど、わたしは道楽息子だからと言って、彼を選んだ訳じゃない。
ただ、『好き』な だけなの。
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