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「ああ、第四の七不思議ね」
唯一、ちゃんと目を通していたらしいトモコがぺらっと台本を捲った。
「『夜中の校庭に現れる、狐火』…昔、校庭の隅の枯れ草にその火が燃え移って、ボヤを起こした事があるらしい。…これでしょ」
「ちょ、やめてよお!お化けの仕業だって言うの!?」
彩加がわたしの腕にしがみつく。
「まあ、もしお化けじゃなくて、犯人が人間なら、速攻で捕まるだろうね、きっと。」
ヒロシが事もなげに言った。
「…なんで?」
「みんな気付いてないかもしれないけどさ。実は校内の防犯カメラの数って、尋常じゃないんだぜ」
ヒロシは窓の外に身を乗り出して、
「ほら、見てみろよ。…校門に2つ、…こっちの電灯に一つ、…裏口にも付いてんだろ」
「うわ、ほんとだ」
「ざっと見ただけでこんなにあるんだからさ、どれかには絶対に映ってんだろ、犯人」
「へーー。今まで、全然気にしたこと無かったわ。ほほーお」
彩加がしきりに感心している。
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