-2-

9/13
前へ
/22ページ
次へ
「え?…ああっ!ウソでしょ!!」 「……やばいっ!!火事だあっ!!」  ヒロシの叫び声で、わたし達は唇を重ねたまま、目を開けた。  目の前の先生の目が、真剣になる。  3人が走り去る足音を聞いてから、わたし達は廊下に飛び出した。  廊下側の窓から、はるか遠い校庭の方でオレンジ色の炎が上がっているのが見える。  全身が総毛立ち、寒気がした。  先生は炎の上がっている場所を確認すると、廊下の非常ボタンを押した。  けたたましくベルが鳴り響く。 「椎名っ。職員室に残ってる先生に、火事の場所、知らせに行って!校庭のリサイクル小屋!」  先生はそう言って、階段を駆け下りて行った。  わたしは混乱のあまり自分の位置を見失い、職員室がどこにあるのか一瞬考えてから、2階の渡り廊下に向かって走り出した。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

707人が本棚に入れています
本棚に追加