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「『…深夜に校内を徘徊する、バッハの胸像…』」  トモコがぽつりと呟く。 「…どう考えても、今、ナゾ解明したよね、私たち。実際、バッハが毎晩徘徊してるパターンだこれ」 「なるほど。 …心霊現象じゃなく謎が解明されるパターンを一個入れても面白いかもな…」  ヒロシは考え込んでから、ポン、と手を打った。 「よしっ。今の警備員が巡回する姿と、インタビューを撮影しに行くぞ!! 皆、追いかけろ!!」  カメラを手に出口に向かうヒロシに続いて、皆が駆け出す。 「あ、待っ…」  一番最後になったわたしも音楽室を出ようとしたところで、ぐっと後ろから腕を掴まれた。  悲鳴を上げそうになった口を、大きな手のひらが塞ぐ。 「(しーーー)」 「……っ」  目の前にあったのは、春山先生の顔だった。  
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