プロローグ

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春潤 7日 雨天。 灰色の雲が空を覆う。 そういえば、春雨、という言葉を教えられたことがある。 細やかで新芽を打つことのない優しい春の雨を、そう呼ぶそうだ。 ボールスは雨が好きなのか、土の香りがすると言って笑っていた。 今は帝国の国境辺りへと足を進めている。 どうも国内が騒がしい。 もうそろそろ急いだ方が得策か。
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