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あれから一週間、俺は何事も無く商店街でオッチャンと話していた。
「んで、あれから何かあったか?」
「いや……少女を襲おうとした不良にゴット・フィストぶっ放してみたり、攻め込んで来そうな蛮族をオフェンティック・ファイアで一掃しただけで、何もありませんでした」
「いや、あり過ぎてるよ兄ちゃん!?」
オッチャンにそう聞かれるので、素直に言うと、突っ込まれる。
はれ? 俺何か変な事したかいな?
「えっ?」
「ゴット・フィストぶっ放したり、蛮族一掃する事が何も無かったなんてなんて、そんなの絶対におかしいよ!」
「お、俺は悪くない! 悪い事をする奴らが悪いんだ! 俺は悪くない!」
『……うん、いつも通りだ』
色々言い合った後、俺とオッチャンは満足そうにそう言う。
「だけど、流石にやり過ぎだとは思った」
「うん、自重しようかなと」
「力があり過ぎんだから抑えなさい」
「了解でござる」
砕けすぎているとは思っているけど、これがいつものオッチャンとの会話だ。
オッチャン曰く「誰も俺のテンションについてきてくれない」らしい。
まあ、そんな事はどうでもいいか。
そんな感じで世話話をしていると……
「ん? 何だありゃ?」
「えっ? 何があったオッチャン――――うわぁ……」
オッチャンが指差しながらそう言うので、その方を見ると、おそらく店員であろう人が、十五、十六くらいの少女に手を出そうとしている。
少女の姿は、髪は水色でロング、胸はそれなりにあり、服は汚れている。
はぁ……何でこんな事が起きんだろうね。
そう思いながら走り出そうとした時に少女の顔が視界に入り、その表情を見た瞬間、驚いてしまった。
……またかという表情をしていた。
「フォース!」
「ぐっはぁっ!?」
とりあえず店員を止めないとやばそうなので、俺は神聖魔法を店員に飛ばす。
するとそれを抵抗も出来ず食らった店員は、店の中に飛ばされていき、同時に皿が割れるような音がした。
まあそんな事はどうでもいい。重要な事じゃない。
俺は少女に近づく。
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