無名の英雄

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ちなみにレベルと言うのは、自分で分かるものではない。 警備隊に入る時に各技能の試験をいくつかやり、クリアできた試験の数によって分かるらしい。 ちなみに俺が何故分かるかというと、単にセージのレベルが高いからである。 「そういえば、ブレイブさんはもう冒険者にはならないんですか?」 「ああ、後はゆったり過ごしながら人助けもしていこうかなと」 「何とフリーダムな……」 そんなどうでもいいような事を思っていると、テイルがそう言ってくる。 まあ、まだ冒険者できる歳なんだけどね。でも金は十分あるから大丈夫なんだよね。 うん、自分で言っててフリーダムだなとは思った。 「まあ、あまりにも危険なのは俺が処理するけど」 「た、例えば?」 「ドラゴン退治とか」 「一人で行くんですね分かります」 いや、よくたらい回しされてドラゴン退治とか来ちゃうんだよ。 誰かがやらなきゃ駄目だから仕方なくなんだけどさ。 おいユウタ、人を化け物みたいに言うのやめい。 いや、倒せるけどさ。流石にもう一人くらい巻き込んで行くぞ? 「そういえば、誰か雇わないんですか?」 「ん? なして?」 「いや、ブレイブさんだけしゃないですか働いてるの」 ダイヤが唐突に話を切り替え、そんな事を聞いてくる。 うん、まともに突っ込んでくれたかダイヤ。 そう、ここ、俺(店主)一人でやってんだよね。 「一人でもできる仕事量ってことさ」 「……僕達が有名になれれば」 「有名になってもろくな事ねえぞ? 現に各地の警備員に引っ張りだこされた親友がいるし」 「本物の英雄の言葉だから説得力がある……!」 俺はそう答えて悲しくなっていると、テイルは自分が有名になると言ってくる。 だが、俺が親友のことを言うと、三人とも考えるのを止めた。 ちなみに親友ってのはラグ。小さい頃から冒険者まがいな事をしたりしてたな……。 まあ今では英雄レベルだけどね。ラグは別の国に行っても名が知られてるからな。 俺? オッチャンとこいつらにしか知られてないですが何か?
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