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 わたしはぼんやりと、日が沈んで暗くなった校庭の脇を歩いていた。  泣き腫らした目に冷たい風が触れ、ひりひりと痛む。  職員室や社会科準備室など、春山先生の行きそうなところを必死で探したけれど、会う事は出来なかった。  駐車場で少し待っていたが、校内を見回っていた先生に早く帰るようにと注意され、わたしは仕方なく校門に向かっていた。  打った腰が鉛のように重く、わたしは痛みに耐えながら、ゆっくりと歩いた。 『…いつも、すごく優しく、私のこと抱いてくれるから』    先生がそんな事をするはずがない、という思いの向こう側に、…もしかしたら、という疑惑が見え隠れする。  …例えば、あのメール。  わたしが土曜日、先生にあのメールを送ったのは、夜中の12時だった。  先生より先に月子ちゃんがそれを見て、さらに消去することが出来たということは、…そんな遅い時間に、2人が一緒にいた事を意味する。  わたしは、すっかり湿ってしまったハンカチをもう一度目に当てた。  とにかく、…先生に会いたい。  会って、直接確かめたい。  …きっと先生は、つまらない事ですぐに不安になるわたしを叱って、優しく抱きしめてくれる。  
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