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「…なに、失恋でもした?」
わたしの隣に並んで、門に寄り掛かる。
答えずにいると、白井さんは、はあ、と大げさに息をついて、
「君みたいに可愛い子を泣かせるなんて、許せんなあ。
お兄さんでよかったら恋愛相談に乗ってあげるよ?どうせ、高校生のガキだろ、相手は」
「……」
春山先生の顔を思い浮かべると、不意に喉元が熱くなって、わたしの目から再び、涙が溢れ出した。
慌ててハンカチを取り出し、目に当てる。
「あっ…。ごめん!!…ちょっと待って、俺、泣かすつもりじゃ…」
「…違います、ごめんなさい。…何でもないんです」
「あの、…どうしたら、…えっと…」
大きな体でオタオタする白井さんの姿を見ているうちに、わたしはおかしくなって、思わず吹き出した。
「…え…?」
「すみません…。だって、白井さん、動揺しすぎ…」
涙を流しながらくすくす笑うわたしの様子を見て、白井さんは訳が分からない顔をしながらも、少し安堵しているようだった。

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