想像以上の大事件

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「これ、どうぞ。ゲームに暗い人でも比較的やりやすいタイトルばかり揃えてみたつもりなんですが…」 家から一歩も出ず、携帯もパソコンもテレビも新聞も雑誌も見られないとなれば、私はどうしても暇になる。 そんな暇な時間をどうやってすごすか悩んでいた時に、功貴さんが沢山のゲームを持ってきた。 ハードもソフトも様々で、これだけあれば飽きることもないだろうと思えた。 「あ、お気遣いありがとうございます」 「いえ、俺にできるのはこれだけですから。俺、こういうヲタクっぽい面にだけは強いんです」 そう言って功貴さんはビクビク震えた。 「こういうところで役に立つ時もあるんですね。あ、でもお仕事は?彰人についてなくていいんですか?」 功貴さんは彰人のマネージャーだ。こんなところでじっとしてていい訳がない。 「あ、それについては大丈夫です。あの人、基本何でもできますから。むしろ貴女についているのは俺にしかできないからって頼まれたんですよ」 そういえば彰人って昔っから何でも得意だったような気がする。 運動も勉強もいつもぶっちぎりで一番だったし、歌とかお絵かきとか、そういった面でもよく大人に褒められていた。 それに何をやらせても一発で上手くできるから、大人から“神童”って呼ばれてた。 …つまり彰人は天才なんだ。それも軽い意味合いじゃなく、本格的に。 「そういえばそうかも。昔授業でIQを測った時も先生が慌ててたし、昔っからなんか聡い子だった」 「…やっぱり。なんであの人がアイドルになったのか不思議でならないんです。それこそ学者だろうと医者だろうと、宇宙飛行士だって、職業選び放題だっただろうに…」 「…それは…彰人だからですよ。あの人結構子供なんで、目立ちたがりなところあるし、褒められたりキャーキャー言われるの大好きなんです。それに、変化が好きで冒険ばっかりなんで、奇抜なことがやりたかったんじゃないですかね」 彰人はどこまでも子供だった。 大人より頭が良いからって大人びてる訳じゃないし、敏いからってすれてる訳じゃなかった。 むしろ年齢よりお子ちゃまで、すっごい甘えん坊だった。 年下の私に甘えたりすることもあった。 …大人になって、そこにいやらしい意味があったって気づいたけど…。
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