1242人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
先生の匂いは、おひさまみたいで…さっきまでのどんよりとした気持ちを、嘘のように晴らしてくれた。
「…先生…」
「…ん…?」
わたしは、先生の肩に顔を埋めたまま言った。
「携帯番号とメアド、…教えて…」
「…この間、教えただろ」
「消えちゃったから……」
「なんで」
「月子ちゃんが、消しちゃった…」
「……」
「ごめんなさい…」
「…お前、…やられっぱなしだな」
「……」
先生と二度目の赤外線通信をして、わたしは早速、登録名の変更に取りかかった。
先生の顔を見つめながら、どんな名前にしようか、考え込む。
最初のコメントを投稿しよう!