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時代は昭和初期、まだ三鷹駅もできたばかりの頃。
大学生で経済学部の三田三郎は、
学生アパートの2階の真ん中の部屋に住んでいた。
全部で6部屋あり、地方から上京してきた
学生ばかりが住んでいた。
アパートに風呂は無くて近所の銭湯へ行き、
水道やトイレは共同だった。
階段側の隣は法学部の織田という柔道三段の猛者で、
何が気にいったのか、ちょくちょく三田の部屋へ
くるのだった。
一方で反対側の隣には文学部の蟹場という
痩せていて
黒縁のメガネをかけた神経質そうな男で、
あいさつはするものの、まだ話はした事が無かった。
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