悲嘆の金縛の中心で… 第一話

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教会の時計の長身と単身が、12時をさした時間帯の事であった  今日は満月が皓皓(コウコウ)しく光を放っている 「っふ…お前本当に俺様から逃げられると思ってるのか!!」  と、 黒いフードを深く被った男が暗い路上の中で相手にそう問いかける  質問された相手は興味がなさそうにそっぽを向く 「いい度胸じゃねぇか。今に見とけよ!俺様に背を見せた事を後悔(コウカイ(させてやるからよ」  と いった男は身体中に凄まじい雷を纏わせる  雷は荒々しく放電音を響かせていた 「ほう。これを見ても恐怖しないとは少々驚いたな」  柄にも思っていない事を黒いフードの男は平然と言い切った  余裕があるのかは分からないが、ファイティングポーズの状態に入るそぶりを全く見せない  これが強者の余裕というものなのか  戦闘態勢をとらなくともお前を仕留めるのは造作(ゾウサ)もないことだという意味なのかもしれない  さすがに危険だと思ったのか黒いフードの男から相手は逃げるように走った。 「おっ!!鬼ごっこか?…仕方ないな少し付き合ってやるよ」  と、 呟き…ゆっくりとした足取りで相手が逃げた方向へと歩みを進めた
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