貴方を失った日

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暑い夏の日、一週間分の荷物を持った私達は新幹線に乗り込もうとホームで待っていた。 私は洗濯してもらえばいいかと若干少なめだったが、優美は家出?って位の量。 汗がダラダラと垂れてくるのがわかる。 「どこ行くの?」 声を掛けられ、ふと振り向いた。 かっこいい・・ 一目惚れ?そんなのあるの? でも彼から目が離せなくなっていた。 「あれ?あらたじゃん。あらたこそどっか行くの?あっストーカーとかやめてよね」 優美の知り合いか・・ 「あのな、ストーカーならどこ行くのなんて聞かないだろ」 「それもそっか。次のに乗るとか?」 「あぁ、俺はいとこの坊主が遊びに来るからお出迎え。お前は家出か?」 「違うわよ、おばあちゃんとこに行くの。あっ、これ噂の妹」 『こんにちは』 挨拶が被った。 彼、あらたくんはクスクス笑う。
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