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地上に降り立ち、恐る恐る周りを見渡すと、――パンパンに頬を膨らませ、極限に拗ねた祐希が、目に涙を浮かべて観覧車乗り場の入り口に立っている姿が目に入った。
「…めちゃめちゃ可哀相なこと、したな」
「そうですね…」
祐希は下唇を突き出し、眉をハの字に下げ、迷子の子犬のように辺りを見回している。
うわ…祐希ってば、あんなにブサイクな顔しちゃって…。
「ほら、あの顔だよ。……お前にそっくり。うりふたつ」
「……」
笑いながら言った春山先生の言葉が、リアルにショックだった。
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