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「…どうしてそんな…。先生を脅してまで…」
わたしの呟きに、ヒロシくんは肩をすくめ、
「しらねーけど、…相当危ない橋を渡ってまで、何かやろうとしてるってことは、確かだよな」
わたしの胸に、言いようのない不安と恐怖が広がり始めた。
…更科くんは、…いったい何を…。
「てかヒロシ。こんなとこでグダグダ言ってないで、まずは、春山先生にでも報告したらいいんじゃない?
マスターキーのコピーって、相当やばいよ」
「ダメだよ、奈良崎。俺とトモコが無断で学校に忍び込んだの、忘れたのかよ」
「そんなこと言ってる場合じゃ…」
「ダメだって。あと一回、夜の撮影が残ってるんだから。
忍び込んだことがばれたら、許可が降りなくなんじゃん。それが終わるまでは、絶対に言うなよ」
「ちょ、ちょっと待って!!」
彩加が慌てて言った。
「じゃあなんで、わたしたちにはこんな怖い映像見せたのよ」
ヒロシくんはわたしたちの顔を見比べて、ニヤリと笑った。
「俺、こんなおっかないネタ、トモコと二人で抱えてんの怖いからさ。
お前らにも証人として道連れになって貰おうと思って」
「……」
彩加が黙って素早く上履きを脱ぎ、ヒロシの頭をパコーンとひっぱたいた。
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