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父は大きな声で怒鳴ると、私の手をひいて階段を上りました。
「はぁ、はぁ。…お前は、俺との約束を破る気か?」
「破ってないよ。お父さんが呼ぶから」
父は驚いた顔になると、食べ物を川に流してから階段を上りきるまでに何か起きたかと私に聞いてきました。
だから私は、誰かが何かを食べる音、足音が逆方向から近付き通り過ぎたこと、父に名前を呼ばれたことを話しました。
「お盆にはな、帰る家がない幽霊も居るんだ。俺は体験したことないが、その迷い霊がいるから川にお供えの食べ物を棄てるんだ。振り返るなと言ったのは、迷い霊に連れていかれない為」
帰りながら父と従兄弟から、お盆の説明をされました。
今は県外で親と暮らしてませんが、あれから2度とお盆に川に行きたいと思わなくなりました。
皆さんも、お盆に海や川に行ったら駄目ですよ。
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