遊歩道

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遊歩道

8月の上旬、私が幼稚園児だった頃の話です。 長年生活している場所でも知らない場所はあるもので、姉は小学校の裏山にある遊歩道が海に繋がっているなんて、友達に聞くまで知らなかったそうです。 「遊歩道から海に?」 「そう。昨日、お姉ちゃんと海に行ったんだ」 夏休みに入り、日直当番だった姉は花の水やりをしていました。 終わりごろに、班の皆と遊びに行った場所の話で盛り上がっていると、一人が遊歩道から海に行ける話をしたそうです。 遊歩道があるのは知っていても、姉は行くほど楽しいと思えない山の草木で整備されていない遊歩道に興味など持っていませんでした。 海に行ってみたかったのか、姉は友達に遊歩道の何処に海に繋がる道があるのかを聞いたのです。 「お母さん、遊歩道から海に行けるの知ってる?」 「ううん、初めて知った。その遊歩道がどうしたの?」 「午後ね。友達と海に行く約束したの」
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