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肩を落とすほど落ち込むことではなかった。
それは、いつものことだった。
そしてリディーは、この時間が好きだった。
桜の木の下で本を読みながらオルフを待つ、この時間が。
本を読む早さは段々と早くなっていった。
この前は10ページだったのに、昨日は20ページも読んだ。
今日は30回もページをめくった。
そんなことも嬉しかった。
…嬉しかったけれど。
自分の読む早さが上がっただけでなく、待つ時間も長くなっていたのだと、リディーが気付いたのはあの日。
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