第1話

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肩を落とすほど落ち込むことではなかった。 それは、いつものことだった。 そしてリディーは、この時間が好きだった。 桜の木の下で本を読みながらオルフを待つ、この時間が。 本を読む早さは段々と早くなっていった。 この前は10ページだったのに、昨日は20ページも読んだ。 今日は30回もページをめくった。 そんなことも嬉しかった。 …嬉しかったけれど。 自分の読む早さが上がっただけでなく、待つ時間も長くなっていたのだと、リディーが気付いたのはあの日。
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