Neo Border [Version3.0] ■011■

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時を少し戻し”Ragnarok Crisis・ラグナロククライシス(ネットパニック)“の数週間前。 Markは今や名誉だけもらったメンバーの一人でしかない。 Johnからもらった “MSSS(Medical Support Security System)” “TFS(Tutelary Fairy System)”搭載モバイルはとても有能で、何度も危険を察知し、最善へと導き命を守ってくれた。またストーカー、危険人物にも出来るだけ会わないですみ、 “GVR Revolution(GVR革命)”以来自由な放浪を1年以上も続けている 秋初め、彼はここスイスに居た。 あちこちのワインフェスティバルを訪ねては各フィールドの識者との交流や美味しいワインを飲み歩いていたが、フェスティバルシーズンも終盤に入った9月の終わりに不思議な少女と出会った。 その夜いつものようにこの地方の知人や、街の人、旅行者たちとお祭り騒ぎの中、横に座ってきた隣街に住むという成年が、もっと旅の話が聞きたいから自宅に泊まるよう頼んできた。回りの人たちもその成年を知っているようで、話しを聞かせてやってくれと言う。そこまで言うならとお邪魔することにした。手首に巻いた細いブレスレットもセイフティを示す。 決して秘蔵のワインに引かれたわけではない。 店を出て成年に案内されながら歩いているとふと成年の姿が無い。 周りを探すと暗がりからフェスティバルの衣装をまとった少女がゆっくりと現れた。 そしてまるで大人のような口ぶりで 「今年のワインも格別においしくできましたが、来年もまた格別のワインを飲んでいただけるよう 今からお話しすることを出来るだけ早く実行してください。 広がった夢が流れ出さないように、ひとまず楔を打ちつけておいたほうがいいでしょう。 夢もみなさんの手が届かない所で迷子になれば、狼の餌食となり、その味をしめた狼は群れを成してやってきます」 後ろの、まだにぎやかな路地から成年が   「こっちですよー」 手を上げて答え振り返ると既に誰もいなかった
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