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成年の家では、夜も遅かったが家族がとても暖かく迎え入れてくれた。
リビングで秘蔵のワインを頂きながらいろいろな国の話をした。成年は目を輝かせながら聞いていた。
時折「ならば、Markさんは“地球の悲鳴“や”人類の悲鳴”という世界的悲劇の中にあって“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”はどうあるべきだと思いますか?」
「それは“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”の総意を持って自ずと導かれるものであって、仮にも今の私の立場では何も言えないよ。
ただ、心を持った人類にとっての新しい、そして最後の国家群として世界樹のように凛とあってほしいとは思っているんだ」
そんなちょっと難しい話もはいったが、成年の真剣なまなざしに、心高ぶるものを感じながら夜が更けていった。
次の日の朝、一家総出で見送ってくれた。昨晩は夜も遅かったため出会えなかった娘さんも中央で微笑んでいた。
・・・・・なんとなく似ている
「また来年お会いしましょう」
「是非に!楽しみにしています」
笑顔で歩き出したMarkに一瞬冷たい風がふきぬけ、ふと、少女の言葉が脳裏に浮かび上がってきた。
「あぁ、俺たちの夢?そう、夢は・・・」
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