2人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
どこの学校のどこのクラスにも、一風変わった人間は必ず一人はいるものである。
僕のクラスも例外ではなく、H川という個性の強すぎるやつがいた。
しゃべり方はクレヨンしんちゃんのボーちゃんそのもので、身体は大きいのにやたら気が小さい。お母さんは髪を虹色みたいに染めていて、そいつ自身もえりあしだけがかなり長い髪型をしていた。
小学生なのに、やたらと変態的な知識が豊富で、普段からそんな事ばかり考えているような男だった。
それゆえに、怒らせると何をするかわからない。伊東情報なので真相は定かではないが、自宅前でナイフを振り回したりしていたらしい。そんなことからクラスの皆は、H川を怒らせないように、小学生なのに変な距離を置いて暮らしていた。
ある日、写生会があり、生徒達は校舎を描いたり木を描いたり各自楽しんでいた。
そんな中、斜め後ろくらいで絵を描いていたH川が
「…うまい……」
と、つぶやいた。
僕は振り返った。
そして、もう絶対にこいつとは関わってはいけない…危険だ。幼いながらもそう確信した。
H川、絵の具食ってた。
最初のコメントを投稿しよう!