小学生日記2⃣

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僕のクラスの担任は、教師になったばかりの20代の男の先生だった。背こそ低いものの端正な顔立ちで、趣味はモーグル、特技はバク転と、運動神経が抜群で女子のみならず男子からも絶大な支持を集めていた。   ある日、友達数人と先生の家に遊びにいくことになった。小学生が自転車で行くには若干遠かったが、その時の僕らは楽しみで楽しみで仕方なかったので全く苦痛ではなかった。家に着きチャイムを鳴らすと、先生はいつもの優しく元気な笑顔で迎えてくれた。 先生の部屋は、芳香剤のせいかプリンの匂いがする。先生の服がプリンくさいのもこのせいだった。ルパンフィギュアやいろんな漫画があり、先生とはいってもやはりまだ20代の男の部屋であった。   先生が昼飯を作ってくれるということでキッチンにいる間、僕らは棚などを物色していた。 そして友達の一人がベッドの上の棚を開けた時だった。   ドサッっと大量の雑誌が床に落ちた。なんかピンク色だった。『花びら大回転』と書いてあったが当時は意味がわからなかった。   物音を聞いて戻ってきた先生は急に焦ったような顔になって言った。     「や、やめろよ~ん」       僕はちょっとだけ、先生が嫌いになった。
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