小学生日記2⃣

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小学生日記2⃣

クラスにNという女子がいたのだが、簡単にいえばいじめられていた。 僕が輪ゴムで狙撃していたのもこの子である。 太っていて天然パーマ。めちゃくちゃ無口で、細く小さな目で人をジッと睨むくせがあり、それゆえにクラスでは浮きがちだった。     小学生の中では最大のイベントである運動会。父母が見にくるので非常に楽しみな行事だった。伊東の母は、伊東そっくりで爆笑したのを覚えている。   Nの母も来た。Nと見た目は似ていて相撲取りのように太っている。しかし性格は明るそうで、常にニコニコしていて優しそうな母だった。Nも母と一緒にいる時は、普段みたことがない笑顔をしていた。     しばらくすると、放送がかかった。     『運動会が始まります。グラウンドに集合してください』     子供達はいっせいに走り出した。親も子供に手をひかれるよう走った。 僕が後ろを見ると、Nも母の手をひいて走ろうとしていた。しかし、母の巨体は走ることがツラいようだった。   楽しそうに手をひくN。   必死な母。     そして次の瞬間。   Nの母は段差につまづき、顔面から地面に突っ込んだ。     泣き叫ぶNの横で、母は保険の先生に治療されてた。
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