第1話

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 ‐ある家族の日常‐  今日はある家族の、ある人間の誕生日である。今どき見かけない円卓の真ん中にケーキを飾り、獲物を狩るような目付きでケーキを睨む四人の姿。  長男が歌いだす。続けて次男も歌いだす。最後に末っ子が歌いだす。 「ハッピーバースデートゥーユー!秋奈!」 「へい!ハッピーバースデートゥーミー私!」  そう言って蝋燭の火を消す。消えたのは五本、消えずに残ったのが十二本。 「秋奈もう十七歳か。大人になったな」 「春くんだって十七歳じゃん。それって自分が大人だという主張?」 「長男なんだ。大人で間違いない。夏樹もそう思うだろう?」 「二十歳超えないと大人じゃないよ」  家族は愉快に話を弾ませる。
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