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‐春鷹の思考‐
今日はとても大切な日の一つである、妹の秋奈の誕生日である。同い歳だが妹だ。
秋奈は髪が紅葉のようなオレンジ色をしている。染めている訳ではない。
秋奈の右隣には弟の夏樹がいる。ごく普通の少年だ。本当、何処にでも居るような特徴がないのが特徴の少年。
夏樹の正面には末っ子の冬美がいる。雪の様に白い肌をしていて、髪も白い。外人のようだが、れっきとした日本人。
冬美の左隣に俺がいる。文武両道、非のうち所のない男だ。
俺たちの正面には丸いショートケーキのホールがある。ケーキの真ん中には名前の分からない人形がスケートボードに乗っている。全身砂糖で出来た甘い奴。
その人形に無慈悲に包丁の刃が通る。人形は四等分になり、ただの甘い奴になる。僕らはその甘い奴を退けながら、ケーキを頬張る。
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