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沢山の動く人間で溢れかえる建物内。
忙しなく動き回る人々はどうやら自己の判断ではなく、組織的な業務で動いているらしい。
かく言う私も、そこの職員として働いている。
いや、言い直そう。安月給だから「働いてやっている」でいい。
皆や私が働いているこの『ハンターズギルド』総本部では、全般的にモンスターに関しての問題を取り扱っている。
モンスターというのは、その名の通り、怪物(ひとならざるもの)だ。
この世界では当たり前のようにモンスターが繁栄している。
空を飛んだり地に潜ったりは普通だ。驚くことではない。
モンスターというのは勿論、人間より強い。
モンスターに素手で勝てる人間なんてまず有り得ないし、何よりモンスターは自然に近い力のようなもので、人間にはできないこと───たとえば爪や牙で戦ったりビーム撃ったり。
ビーム撃ったりという辺りが純粋な少年の魂をときめかすようだが、実際はそんな優しいものではない。
何しろモンスターは人間より強い。
人間が脅威に思い、何とか退治しようと警戒するのは当然だ。
モンスターから見れば人間こそ縄張りを脅かす邪魔者だが、この因果だけは何ともし難い。
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