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そんなこんなで、なけなしの安い給料でハンターズギルドの情報部で働いている私は、仕事の合間をぬって一服している。
今口にくわえているパイプは古いもので、そんじょそこらじゃ滅多にお目にかかれない代物だ。
そうこうしている間に休憩時間が終わり、面倒な上にキツい仕事の時間がやってくる。
仕事といえば、今朝から皆妙に慌ただしいが、何かあったのだろうか?
狭い休憩室から出て歩いていくと、見慣れた内装が目に入る。
石造りの高すぎる天井や広すぎる廊下。
昼でも薄暗い建物内の壁に、通路に沿って所々に飾られている松明が怪しく揺れる。
短い休憩時間が終わり、安い給料でキツい仕事の時間がやってきた。
何か刺激的なことでも起きないかなどと考えながら、もう見飽きた情報部への扉を引くと、そこは今まさに忙しく歩き回る職員で一杯だった。
あまりの慌ただしさと騒がしさに、パイプを口にくわえたまま呆然と棒立ちになっていた。
情報部といってもやることはシンプルだ。
モンスターの情報を誰より早く手に入れ、各支部や対策本部に知らせる。
そんな単純な仕事なのに、百人はいる職員は一切の余裕もなく動き回っている。
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