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『あんないい男が姉ちゃんごときに本気になるわけ、ないもん。 他にいくらでも、いい女が寄って来てるはずなのに、なんで姉ちゃんなのか、不思議だと思わない?』  改めて言われると、…ものすごく、とてつもなく、不安になる。  それは、わたし自身、一番不思議に思ってるとこだから…。  だけど。  …祐希に言われると、――なんだか非常に腹立たしいんだけどっ。  ムカムカ気分を振り払うようにベッドに勢いよく腰掛け、そのままぱたりと後ろに倒れ込む。  大丈夫かな、…先生…。  今日はちゃんと家に帰れるのかな…。  それに、…わたしは更科くんのことも気がかりでならなかった。  話は途中で終わってしまったけれど、…わたしの問いかけに対し、確かに彼はゆかり先生を脅して合いカギを手に入れた事を暗に認めていた。  月曜日、もう一度会いに行って、更科くんを説得してみよう。  何をしようとしてるのかは分からないけど、…なんだか、とても嫌な予感がする。  わたしは、大きな欠伸をした。  …ねむ…。  …でも、ちょっと勉強しなきゃ…。  抗おうと思えば思うほど眠気は強くなり、…6時に起きて1日中はしゃぎ回ったせいか、わたしは布団も掛けず、ゆっくりと眠りに落ちて行った。  
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